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犬の乳歯が抜けない!犬の乳歯遺残と対処法について

犬の乳歯遺残の対処法アイキャッチ画像
飼い主
飼い主
うちの子、もしかして乳歯が抜けずに永久歯が生えてる?2本並んでるんだけどおかしいの?

こんな飼い主さんの疑問を、獣医歴14年で300本くらい乳歯を抜いてきたゆべしが解決します。

犬の乳歯が抜けずに残ってしまうことは、よくあることです。

しかし放っておくと歯石や歯肉炎の原因になり、かみ合わせが悪くなるので、抜いてしまうことをオススメします。

この記事を読んでもらうと、犬の残った乳歯を一番ベストなタイミングで抜けますし、処置する費用を浮かせることもできますよ。

それでは見ていきましょう。

犬の乳歯遺残とは

犬の乳歯遺残を診察する画像
犬も人と同じように、乳歯から永久歯へ歯が生えかわる「二生歯性」ですが、ときどき乳歯が抜けないことがあります。

犬の乳歯が抜けずに残ってしまうことを、「乳歯遺残」とよびます。

【犬の乳歯遺残】犬の歯の生え変わり

犬の歯は、早いと生後4か月ごろから抜け始め、生後6か月くらいまでに永久歯に生え変わります。

個体や犬種によって差がありますが、だいたいこれくらいですね。
個体によっては生後12か月までかかる子もいます。

この時期は歯が抜ける時期でかゆいので、おもちゃなどを噛ませてあげましょう。
歯も抜けやすくなりますよ。

犬の乳歯は28本(上:14本、下14本)で、永久歯は42本(上20本、下22本)です。

歯が生え変わる順番は、前歯から奥歯へ順に生え変わるといわれますが、ときどき順番どおりでない子もいます。

【犬の乳歯遺残】乳歯と永久歯の見分け方

犬の乳歯と永久歯の見分け方は、歯の大きさす。

乳歯よりも永久歯の方が大きく太いので分かりやすいですが、飼い主さんには分かりづらいこともあるでしょう。

飼い主さんに見ていただくのは、以下の2つのポイントだけで大丈夫ですよ。

①犬歯が2本生えていないか
②歯が2重に生えていないか

犬の乳歯遺残が起こるのはほとんどが犬歯ですので、2本仲良く並んでいたら、細い方の乳歯が抜けていないことになります。

生後6か月くらいまでは健診で動物病院に通う飼い主さんも多いので、診察時に獣医が気づくパターンもあるでしょう。

【犬の乳歯遺残】犬の乳歯が抜けないとどうなる?

犬が歯を見せる画像
飼い主
飼い主
乳歯が抜けないとなにが悪いの?そのまま使えばいいじゃない

ゆべし
ゆべし
乳歯遺残は放っておくと、心臓や腎臓にも悪いですよ!

犬の乳歯遺残は、意外にも体にいろいろな影響を出します。

【犬の乳歯遺残】歯石や歯肉炎、膿の原因になる

犬は虫歯になりませんが、歯石がつくと歯肉炎を起こします。

犬の乳歯遺残は2本の歯がすごく近くなるので、歯のあいだに食べカスがたまり菌が繁殖して、歯石を作りやすくなります

たまった歯石は歯肉に炎症をおこしたり、溶かしたりして歯肉炎をおこすのです。

残った乳歯が折れると、歯の中に感染をおこし膿むこともあるので要注意ですよ。

【犬の乳歯遺残】歯石が心臓や腎臓に悪影響をおよぼす

歯石は雑菌と食べカスの塊ですので、体に悪いのはお分かりいただけるでしょう。

そして、最近では犬の心臓や腎臓から歯石の菌と同じ菌が見つかり、歯石は心臓病、腎臓病を起こす一因とみなされています。

体の健康は歯の健康から、というキャッチコピーは正しいのですね。

【犬の乳歯遺残】かみ合わせが悪くなる

犬の乳歯遺残があると、本来生えるべき永久歯の位置がずれることがあります。

特に犬歯は上下がキレイにかみ合うようにできていますが、位置がずれるとかみ合わせが悪く、ごはんが食べにくくなることも。

あまりにずれると、顎の骨の形にも影響が出るかもしれません。

【犬の乳歯遺残】犬歯が残っていると刺さることもある

犬の乳歯遺残は犬歯がほとんどですが、乳歯が残ると口の中で歯肉に当たることもあります。

口を閉じるたびに痛いのでは、愛犬も辛いですよね。

犬の乳歯遺残が起こりやすい犬種

犬の切歯を見ている画像

犬の乳歯遺残は、小型犬に多いです。
大型犬ではほとんど見ないと言ってもいいかもしれません。

犬種や遺伝が関係しているともいわれますが、ハッキリとした理由はわかっていません。

犬の乳歯遺残を起こしやすい犬種は、次のとおりです。

  • チワワ
  • トイプードル
  • ポメラニアン
  • ヨークシャーテリア
  • ダックス(ミニチュア・カニンヘンともに)
  • パピヨン
  • マルチーズ

ご覧のとおり、小型犬かつ人気犬種での発生が多いです。

顎の作りの狭さも一因の可能性があります。

犬の乳歯遺残をチェックする方法

犬が口を開いて歯を見せる画像

犬の乳歯はいつまで残っていれば乳歯遺残なのでしょうか?
まだ抜けていないだけ、という可能性もありますよね。

犬の乳歯が遺残していると判断する方法をお伝えします。

【犬の乳歯遺残】生後6か月をメドに判断する

犬の乳歯の生え変わりは、遅いと生後1年くらいまでかかることがあります。

詳しくは後述しますが、生後6か月を過ぎても抜けていなければ乳歯遺残と判断した方が良いです。

【犬の乳歯遺残】レントゲン検査が必要なこともある

僕は1例しか見たことがないですが、永久歯がなく乳歯だけが残るケースがあります

永久歯が存在しない場合を欠歯と呼び、乳歯を一生使っていくことになるので、うかつに乳歯を抜いてしまうと犬歯がなくなってしまいます

永久歯が生えてこない場合はレントゲン検査で確認しましょう。

犬の乳歯遺残の治療法と費用

犬の犬歯を見ている画像

犬の乳歯遺残の治療法は抜歯になります。

グラグラの乳歯はスポッと抜けることもありますが、ほとんどの乳歯は歯根がガッチリ残っていて硬いので、麻酔をかけて抜くことが多いですね。

【犬の乳歯遺残】抜歯するおすすめのタイミング

犬の乳歯遺残を抜歯するのは、避妊や去勢手術といっしょのタイミングで行うのがおすすめです。

避妊や去勢手術と同時に歯を抜くことで、いろいろなメリットがありますよ。

  • 麻酔が1回で済む
  • 犬の負担も1回で済む
  • 費用も別々より安く済む

乳歯遺残と判断するのを6か月とお伝えしましたが、これは避妊・去勢手術を行うのと同じタイミングだから。

特に女の子の避妊手術は、初めての発情が来る(生後6~7か月以降)前に行うのがベストです。

初回の発情を迎えてからの避妊手術だと、将来的な乳腺腫瘍(乳がん)のリスクが上がるので、その前に手術するのが本当におすすめですよ。

こちら↓の記事では、犬のできもの(がん)について解説しています。

犬の体にできものを見つけた場合のアイキャッチ画像
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【犬の乳歯遺残】抜歯治療の費用

乳歯遺残の抜歯手術をした場合、2~3万円ほどかかります。

ですが、避妊・去勢手術と同時に治療することで、費用を浮かせることができます

手術費用の1例を挙げるとこんな感じ。
*動物病院によって費用は異なります。

・避妊手術:4万円
・乳歯遺残の手術:3万円

バラバラに実施すると7万円ですが、同時に行うと5万円~6万円ほどになります。
1万円~2万円ほどお得になりますね。

麻酔が1回で済むので、麻酔代が浮き安くなるのです。

去勢手術でも同じくらいのお得になるはずです。

実際の費用は、主治医にご相談下さいね。

まとめ:犬の乳歯遺残は早めに抜歯しましょう

手でまとめの看板を持つ画像

ここまでの話をまとめます。

ここにボックスタイトルを入力

・乳歯遺残は歯石や心臓病のもと
・人気犬種の小型犬ほど起こりやすい
・生後6か月まで抜けないと乳歯遺残と判断する
・避妊・去勢手術と同時に抜くと負担も費用も軽く済む

犬の乳歯遺残は、飼い主さんが思うよりもいろいろな影響が体に出てきます。

乳歯を抜くこと自体は難しくないですし、早めに抜ければ永久歯の位置が変わることも防げます。

もしあなたの愛犬に抜けない乳歯があれば、早めに主治医とご相談くださいね。

ABOUT ME
ゆべし
エキゾチックアニマルの治療施設で仕事する獣医、犬猫病院歴10年。獣医歴は14年目。犬の飼い主さんに、おうちでできるケアや治療についての記事を書いています。

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