飼い方

アニマルウェルフェアやエンリッチメントとは?【動物を幸せにするヒント】

ペットの幸せのヒントを考えてみた

こんにちは、獣医のゆべしです。

ゆべし
ゆべし
うちの子ってちゃんと幸せかな? なにをしたら喜ぶのかな?

ペットを愛する飼い主さんなら、きっと1度は考えたことがありますよね。

この記事では、動物を幸せにするヒントを探していきます。

結論としては「飼い主さんの思いやり」というありふれた答えになってしまうのですが・・・

「幸せ」という、あいまいなものをひとつずつ言葉にして具体化しています。

少しでも役立つヒントが見つかれば幸いです。

アニマルウェルフェアとは

アニマルウェルフェアが守られている

まず動物の幸せに必要な考え方は、アニマルウェルフェアです。

日本語に訳すと「動物福祉」になります。

似たような言葉に「アニマルライツ(動物の権利)」という考え方もありますが、こちらはほとんど「人権」に近い考えで、ちょっと主張が強めです。

違いを要約すると、こんな感じ。

ウェルフェア:人のできる範囲で幸せを考え、動物の利用は認める。

ライツ   :動物の本質に人間が合わせ、食べるなど認めない

アニマルライツは最終的に人が動物を飼うことも認めない、という意見に行きつきます。

動物にやさしくありたいという部分では共通するのですが、やや極論です。

話が脱線してしまいましたが、アニマルウェルフェアの定義はふわっとしているので、次に具体的な内容を示します。

動物の5つの自由

「動物の5つの自由」とは、アニマルウェルフェアを満たすための条件です。

簡単に説明すると、このようになります。

1.空腹と渇きからの自由   :適切な食事や水がとれること

2.不快からの自由      :キレイな環境で暑さ寒さがないこと

3.痛みや傷、病気からの自由 :病気やケガを予防、治療すること

4.正常な行動を発現する自由 :習性に応じて環境をつくること

5.恐怖や苦悩からの自由   :不安やストレスがないこと

これは1960年代に、主に家畜の飼育環境を改善するためにイギリスで定められました。

今では5つの自由は家畜だけでなく、あらゆる動物を飼うための基本となっています。

4だけ少し分かりにくいですが、例えばウサギなら固いものを噛んで歯を伸びないようにしたり、チンチラなら砂浴びできるようにしようね、ということです。

5つの自由は幸せを保証する?

ん?コレたぶん普通の飼い主さんは守れてるよね?
太郎
太郎
ゆべし
ゆべし
そうだね、日本でも動物福祉が広がってきてるしね。

「5つの自由」は、動物の「生活の質」(QOL:クォリティー・オブ・ライフ)を保証するためのものです。

なので、5つの自由を満たしていれば幸せか?と聞かれたら答えは「NO」となります

飼い主さんやペットが求める幸せは、きっと「プラスアルファ」にありますよね。

次にもう一つの考え方を説明します。

環境エンリッチメントとは

ペンギンの親子の画像

環境エンリッチメントとは、「動物を幸せにする環境の工夫」を意味します。

エンリッチメントとは、日本語で「豊かにする、充実する」という意味です。

これは主に動物園や水族館で使われる言葉ですが、最近はペットにも使われるようになってきました。

環境エンリッチメントは次の5つに分けられます。

1.採食エンリッチメント :食事の与え方や回数を工夫すること

2.空間エンリッチメント :泳ぐ、登るなどの楽しみを作ること

3.社会エンリッチメント :群れや共存など、他の動物との接触を作ること

4.認知エンリッチメント :見る、嗅ぐ、触るなどの五感を楽しませること

5.感覚エンリッチメント :おもちゃなどで考えさせて楽しませること

このように、生活の質を上げるための工夫が環境エンリッチメントです。

ここから、犬や猫でも応用できるアイディアがたくさん出てきます。

・ごはんの回数を1日2回から3回にする

・猫なら高い場所を作ってあげる

・ドッグランで他の犬と思い切り遊ばせる

このような変化でも、ワンランク上の生活を楽しめますよね。

その子の性格によって喜ぶポイントは違います。

「大きなお世話」にならないよう注意しましょう。

2つの考えを合わせれば幸せ?

パズルのピースが合わさる画像

ちょっとだけおさらいです。

アニマルウェルフェア:生活の質を保証すること(基本)

環境エンリッチメント:動物を幸せにする環境の工夫(プラスアルファ)

この2つを組み合わせると、あなたのペットに質の高い生活を送らせてあげることができます。

じゃあ、これで幸せって言っていいの?
太郎
太郎

その答えがわかるのは飼い主さんだけですよね。

2つの考えに欠けているもの

アニマルウェルフェアと環境エンリッチメントには、決定的に欠けているものがあります。

それは飼い主さんとの時間です。

お互いを理解しあう時間と言ってもいいかもしれません。

(大前提としてあるのかもしれませんが、なら書いといてよと言いたい)

人間も同じですが、なにが嬉しいかはそれぞれです。

走るのが好き、寝るのが好き、ごはん大好き、飼い主さんが大好き。

飼い主さんから見た、その子の「好き」を考えて満たしてあげることが、ペットにとっての一番の幸せですよね。

アンパンマンのマーチにも、このような歌詞が出てきます。

なにがきみの幸せ なにをして喜ぶ

分からないままおわる そんなのはイヤだ!

*アンパンマンのマーチより引用

上の2つの考え+飼い主さんの「幸せにしてあげたい」という気持ちがあれば、あなたのペットは幸せになれます。

幸せは「点」であって「線」ではない

点と線に見える鳥と電線の画像

ここで終わっても良かったのですが、ひとつだけ補足です。

動物は忘れる生き物です。

犬ではトイレのしつけで失敗したら、時間が経ってから怒っても意味がありません。

それは失敗から5分もたてば、自分がオシッコしたことすら忘れてしまうからです。

ですから、ペットが喜びや幸せを感じるのは一時的な「点」であって、そこから続く「線」ではありません。

んなこと言われてもどうすりゃええねん
太郎
太郎

その解決法は、単純に「点」を増やすことです。

「幸せ」はずっと続くものというイメージがありますが、毎日が幸せだったとしたら、その幸せな状態が「日常」になります。

そうなると、幸せを感じることは逆に難しくなってしまいますよね。

1日のなかでは、ペットが退屈だな~と思っている時間もあるはずです。

その日常の中で何度も嬉しいことが起こると、「なんか幸せ」という総合的な喜びを感じることができます。

点と点が近ければ線に近づいていくのと同じですね。

ペットの幸せ:まとめ

まとめを示すヒヨコの画像

ここまでをまとめます。

幸せにする方法

・アニマルウェルフェアの5つの自由を満たす

・環境エンリッチメントを工夫する

・あなたがペットの好きなことをしてあげる

・好きなことが1日に何回か起こるようにする

飼い主さんにも生活があり、ずっとペットに構うことはできないでしょうし、その必要もありません。

時間のある時に、その子の好きなことをしてあげればお互いの理解や信頼も強くなっていきます。

ぜひ、一つでも多くその子の好きなことを見つけてあげてくださいね!

ABOUT ME
ゆべし
エキゾチックアニマルの治療施設で仕事する獣医、犬猫病院歴10年。獣医歴は14年目。犬の飼い主さんに、おうちでできるケアや治療についての記事を書いています。

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