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犬が避妊手術後に元気ない?傷口が腫れている?手術後の危険な症状をチェック!

不妊手術後の危険な症状を見分ける方法のアイキャッチ
飼い主
飼い主
うちの子が避妊手術から帰ってきたら元気なくて傷口が腫れてる・・・手術は失敗したの!?

ゆべし
ゆべし
手術後3日までは元気がないこともありますよ!要注意な場合もあるので自宅でチェックしましょう

飼い主さんにとって愛犬の避妊手術は覚悟が必要ですよね。
手術後に体調が悪そうにしていたら、とても心配になると思います。

この記事では、動物病院歴14年のゆべしが、飼い主さんから受ける相談をもとに、あなたの愛犬に関する手術後の不安を解決します。

読んでいただくと、手術後にチェックするべきことや、いつあなたの愛犬を病院に連れていくべきなのか判断できるようになります。

それでは、早速見ていきましょう。

犬の避妊手術後の正常な回復

避妊手術後に回復する犬の画像

犬の手術後の回復の1例を挙げてみます。

1日目:動かず食欲もあまりない
2日目:1日目より動き食欲も出てくる
3日目:2日目より動き食欲が改善。個体によっては完全回復
4日目:ほぼいつも通りの状態に回復

犬の避妊手術は1泊になることが多いので、自宅に帰った日を1日目としています。

上記は1例ですが、ポイントは少しずつ状態が改善して3~4日で元通りになることです。

補足として、避妊手術を腹腔鏡で行った場合は、回復がすごく早いです。
腹腔鏡手術だと日帰りで退院できることも多いですよ。

エリザベスカラーをつけるのがイヤで、体調が悪く見える子もいますので、性格によっても見た目の回復は違ってきます

こちら↓の記事で腹腔鏡手術について解説しています。

腹腔鏡手術アイキャッチ画像
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犬の避妊手術後にありえる合併症4つ

避妊手術をする手術台の画像

犬の避妊手術は動物病院でもっとも多く行われる手術のひとつです。
そのため、手術の失敗という可能性はとても低いですが、ゼロではありません。

犬の避妊手術後に起こる可能性がある4つの合併症を解説します。

合併症とは、手術をしたことによって起こる問題のことです。
もし、あなたの愛犬が本当に調子が悪いのであれば、以下のような合併症を引き起こしているかもしれません。

【犬の避妊手術後の合併症】①臓器のダメージや出血

避妊手術ではお腹を開けて、卵巣や子宮を切除します
そのために脂肪をかきわけ、腎臓から卵巣を切り離し、子宮を糸で結ぶ必要があるのです。

この合併症を起こす原因は以下が挙げられます。

・獣医が出血に気づけなかった
・太っていて脂肪で出血が見えない
・卵巣を切り離す時に腎臓を傷つけた
・子宮といっしょに尿管を結んだ
*尿管(腎臓から膀胱に尿をおくる管)

腎臓を傷つけたり、尿管を結ぶ事故が起こる可能性はきわめて低いです。
(よっぽど手術がヘタでなければ)

出血の可能性は低いですがあり得ます
特に大型犬の子では起こりやすくなりますので注意が必要ですね。

【犬の避妊手術後の合併症】②傷口の細菌感染

犬の避妊手術では皮膚と、皮膚の下にある腹壁をメスで切る必要があります。
腹壁を切ると、その下はもう臓器ですので、お腹を開くことになるわけですよね。

手術による傷口の細菌感染は、比較的おこりやすい合併症です。

原因としては以下が挙げられます。

・手術中の感染(無菌操作の失敗)
・犬が傷口を舐めた
・傷口が汚れた
・術後の薬を飲まなかった

皮膚だけの感染なら回復は難しくないですが、腹壁まで感染すると、お腹の中で腹膜炎を起こすことがあるので要注意ですよ。

【犬の避妊手術後の合併症】③腹壁ヘルニア

腹壁がなにかの原因でくっつかず、壁に穴が開いた状態になり、穴からお腹の中の臓器が飛び出る状態のことです。
(皮膚はくっついているので外には飛び出ません。)

原因としては以下が挙げられます。

・縫合の失敗
・体調が悪い時に手術した
・循環(血のめぐり)が悪い

内臓脂肪が出るだけならいいのですが、もし腸が出ると腸閉塞を起こすこともあります。

手術前の体調をちゃんとチェックして、丁寧に手術すれば腹壁ヘルニアは起こりません。

【犬の避妊手術後の合併症】④縫った糸へのアレルギー反応

ごくまれですが、縫った糸にアレルギー反応を起こす犬がいます。
アレルギー反応が起こると傷口がくっつかず、細菌感染を起こすこともありますよ。

ミニチュアダックスで多いとされている「無菌性結節性脂肪織炎」という、皮膚に穴が開く病気になる可能性があります。

僕は過去2例しか見たことがないので、本当にまれな病気です。

【犬の避妊手術後の合併症】番外編:痛み

犬の避妊手術後は痛みが強く出ます。
痛みは手術後に体調が悪く見える原因のひとつです。

痛みについては手術中に痛み止めを使うか、腹腔鏡手術かどうかなどにより変わりますが、一般的には3日ほどで引いてきます

【犬の避妊手術後】危険な症状

危険を示す看板の画像

犬の避妊手術後、数日は元気がなく、食欲もあまりないことが普通です。

ただし、手術後3日を経過しても回復せず、以下の症状がみられる場合には主治医に相談が必要になります。

【犬の避妊手術後】元気がない・食欲がない

手術後の一般的な症状の1つですが、手術後3日までにまったく改善してこない場合は要注意です。

元気がない、食欲がない原因は。

【犬の避妊手術後】傷口が腫れる・出血がある

避妊手術後の傷口は、やや赤いか、普通の皮膚と同じ色です。

もし強い赤色や紫、黒に変色していることがあればそれは異常です。

赤く腫れる症状が悪化していくと、それも異常になります。

傷口から出血があるのも明らかな異常ですので、すぐに動物病院へご相談ください。

【犬の避妊手術後】歯肉の色が白い

犬の歯肉の色が白っぽくなるのは、貧血がある証拠です。

避妊手術後に歯肉が白っぽくなっていれば、もしかするとお腹の中で出血があるかもしれません。

すぐに動物病院へ連絡しましょう。

【犬の避妊手術後】薬を飲まない

避妊手術後は、抗生物質という雑菌をたおす薬が必須になります。

この薬を飲まない、もしくは嫌がって飲めない場合、傷口が感染を起こし、治らない可能性がありますよ。

どうしても飲めない場合は薬の変更もできますので、主治医にご相談ください。

【犬の避妊手術後】おしっこが出ない

手術後すぐには、あまり水を飲めないこともあり、おしっこの回数も量も少なめになることが多いです。

ですが、1~2日ずっと出ないのは異常ですよ。

可能性はきわめて低いですが、まったくおしっこが出ない、出そうとしているのに出せない場合は尿管を誤って結んでしまっている可能性があります。

おしっこがまったく出せないと、急性の腎不全になり命に関わるかもしれません。

すぐに動物病院へ相談しましょう。

【犬の避妊手術後】自宅でのケア

自宅でケアをされ寝ている犬の画像

犬の避妊手術後は、愛犬も体力的、精神的に疲れた状態で帰宅します。

そんな時には、飼い主さんがケアをして生活を楽にさせてあげましょう。

【犬の避妊手術後】ドライフードをふやかす

ふだんのフードがドライフードの場合、消化を良くして、においを出して食欲を出してあげるためにふやかすのが有効です。

少量のお湯でヒタヒタになるくらいふやかしてあげると、食べやすく、水分の補給にもなります。

いつものフードの方が好き!という子もいますので、試してみてダメなようなら通常どおりあげてくださいね。

【犬の避妊手術後】運動制限(特に雨の日)

避妊手術後は、基本的に休むのが一番です。

お散歩などに行くのも大変なようなら、ムリに行くことはありません。
自宅にペットシーツをしいて排泄させてあげましょう。

特に雨の日にお散歩をすると、傷口が汚れて細菌感染が起こる可能性があります。
雨の日のお散歩はやめた方がいいでしょう。

【犬の避妊手術後】心配しすぎない

飼い主さんの過度な心配は犬に伝わると言われています。

お気持ちはとても分かりますが、「大丈夫?大丈夫?」と心配そうな飼い主さんを見ると、愛犬も心配な気持ちになり、元気が出ないかもしれません。

あまり心配しすぎず、きちんと状態を把握することを優先してくださいね。

犬の避妊手術後の症状:まとめ

手でまとめの看板を持つ画像

ここまでの内容をまとめます。

まとめ

・通常は術後3日までに徐々に回復してくる

・術後3日を過ぎても回復しない場合は要相談

・手術の合併症を知り、注意すべき症状を知っておく

・自宅でフードをふやかすなどのケアを行う

避妊手術後に、飼い主さんから愛犬が元気がない、ごはんを食べないといった相談を受けることは動物病院ではよくあることです。

飼い主さんの気持ちを分かってくれる獣医であれば、電話でもきちんと状態を聞き取り、場合によっては来院をすすめてくれるでしょう。

飼い主さんだけで判断できない場合は、遠慮せずに主治医に相談してしまうのが1つのベストな解決策です。

この記事で、飼い主さんの不安が少しでもやわらげば幸いです。

ABOUT ME
ゆべし
エキゾチックアニマルの治療施設で仕事する獣医、犬猫病院歴10年。獣医歴は14年目。犬の飼い主さんに、おうちでできるケアや治療についての記事を書いています。

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